マンション売却にかかる平均期間は?「3ヵ月」を超えたら考えたい対応策とは
カテゴリ:売却
2022-08-03
マンションを売却する際、多くの人にとって最大の関心事は「いくらで売れるか?」という点だと思います。
しかしどんなに高く査定してもらっても、売れるまでに時間がかかりすぎると資金計画にも支障をきたしてしまいます。マンションを売るなら、「どれくらいの期間で売れるか?」、つまり売却期間についてもしっかりと意識しておく必要があります。
そこで今回は、マンションを売却するまでにかかる平均日数ついてご紹介します。平均日数を超えて売却が長期化する場合のデメリットや、売れない状態が続いたときの対策なども考えてみましょう。
マンションが売却されるまでの期間についての統計を見てみると、中古マンションの売却期間(売り出してから成約までの期間)は平均で3ヵ月程度とされています。
東日本不動産流通機構が2019年に調査した「首都圏不動産流通市場の動向」によると首都圏の中古マンションではレインズへの登録から成約に至る日数の平均は81.7日間でした。
レインズへの登録というのは物件の販売が公になった日、つまり販売開始日のようなものです。
この81.7日の間に物件への問い合わせ、内覧、値段交渉、売却先の決定、売買契約などがありますので、それなりにタイトなスケジュールとも言えるでしょう。買い手の都合によっては、もっと短期間で引き渡しまですることも考えられます。
引く手あまたの人気物件は別ですが一般的なマンションで、できるだけ早くかつ高値で売りたいのであれば、ひとたび販売を開始したら買い手の希望に沿った柔軟な対応が必要です。
また、この81.7日という数字には販売開始までの準備期間は含まれていません。販売を始めるまでには不動産会社の選定や必要な書類の準備などやることがたくさんあります。売却完了の希望日があるならば、この準備期間も考慮して計画を立てましょう。
個人間取引による不動産の売買は、タイミング次第と言ったところもあるので、すべてのマンションの売却が平均日数通りにいくとは限りません。
当然、平均より早いことも遅いこともあります。一般に売却期間に影響を与える要因としては、次のようなものがあげられます。
物件のスペックに対して売出価格が安ければ多くの人の注目を集めますので、成約に近づきます。この売出価格が安いと感じるかどうかは類似物件の数やその価格帯、不動産市況のトレンド、世の中の経済状況などその時々で変わります。
物件のスペックとは立地や周辺環境、部屋の間取りや広さ、設備などのことです。
マンションであれば駅からの徒歩分数は買い手のニーズが高いので、駅近物件はスペックが高いとされています。
ライバル物件にはない特長的なスペック(強み)があると、早く、高値で売れる可能性が高まります。
マンションの売却期間を決めるもうひとつの要素が、不動産会社の選定です。マンションの売却には通常、それを仲介する不動産会社が必要ですが、不動産会社の販売力が不足しているせいでマンションがなかなか売れないというケースも少なくありません。内覧希望者が少ない場合は特に、不動産会社の見直しを検討するべきでしょう。
不動産会社選定のポイントは、まずその地域でのマンションの売却を得意としているかどうかという点。不動産会社によって得意な分野は異なりますので、戸建住宅の販売や賃貸の仲介ではなく、中古マンションの販売を得意としていて、かつ、売却したい地域での実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。チラシやホームページ、店頭のポスターなどを確認して、中古マンション販売に力を入れているかどうかを見極めてください。また他社との比較も大切です。
他にも、物件の適正価格に関する知見があるかどうか、広告に力を入れているかどうか、内覧の際にきちんと立ち会い、適切に対応しているかどうかなどが見極めのポイントですが、その大部分は担当者の力量次第というケースが少なくありません。
対応が丁寧かどうか、身なりがきちんとしているかどうか、メールや電話の返信が迅速かどうかといった基本についてはもちろん、親身になって相談に乗ってくれているか、具体的な客層を想定して売却の戦略を立てているかなどについて、会話の中から見極めることが重要です。
長い期間、売出しを続けているマンションは値引きにさらされる可能性が高くなります。売れ残りという印象を与えるからです。
2017年に東京カンテイが行った「中古マンションの価格乖離率(首都圏)」に関する調査では、売り出し開始から1ヵ月以内に売れたマンションは約3%の値引き、3ヵ月経過で同6.83%、7ヵ月経過で同13.06%、12ヵ月経過で同15.01%の値引きをしたとの結果が出ています(対象は首都圏の中古マンション)。
販売が長期化し、ずるずると値段を下げていくのは、できれば避けたいところです。そのためには、販売状況の把握が大切になります。
例えば販売開始後すぐに何人かの内覧や購入希望があったならば、売出価格は相場から大きく乖離していることはなさそうです。しかし、内覧も希望者も無かった場合は、何か理由があると考えなくてはいけません。
内覧希望者がない理由を考える際、地域のマンション価格などを比較してみましょう。価格設定の妥当性はもちろんですが、築年数が経っている場合は内装が綺麗でないと目をひきません。同じマンション内でマンションが売られていたら、一度どんな部屋か確認してみましょう。
価格、部屋の位置や階数、間取りなどを確認し、最後に不動産会社がどういった状態で物件を紹介しているのか確認しましょう。
どうしてもマンションが売れない場合は、客観的に見直すことが必要です。
特に見直すべきポイントは、設定価格とマンションの内装です。マンションは大きな買い物ですから、よほど「アクセスが良い」「綺麗」「丁度良い広さ」でなければ、すぐには売却されません。
ハウスクリーニング業者などを使わず、築年数のいたみがありのまま出るような状態で売っている場合、購入希望者の目にあまり魅力がないように映るのは当然です。
例えば壁紙やふすまの紙を変えたり、フローリングの傷の補修などをするだけで、第一印象はかなり変わります。
手を尽くしても売れない時は、再度マンションの価格や地域のマンション売買状態を調べてみましょう。長く売れない場合は、その間も固定資産税が発生しますので価格変更や不動産会社に直接買い取りをしてもらうことなども考えてもいいでしょう。
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