住宅の断熱性能は窓で決まるということをご存じでない方もいるのではないでしょうか。
夏場は熱気、冬場であれば冷気などの外気は主に窓から室内へと伝わってきます。
もちろん、外壁・屋根・床などに入れる断熱材や断熱工法の選択も必要ですが、家を購入する際は窓の断熱も重要です。
今回は、よく見かけるアルミサッシと樹脂サッシの断熱性能の比較を解説します。
現在、日本の住宅で目にすることが多いのがアルミサッシではないでしょうか。
アルミは軽くて強度があり加工もしやすく、腐食や錆にも強いという特徴があります。
耐候性で考えると、アルミは外に面した部分に使用する建材としては大変優秀です。
軽いため開閉しやすく、耐久性にも問題はありません。
しかもコストが安いというメリットもあるので、日本では住宅の窓の80%以上にアルミサッシが採用されています。
ただしアルミには熱伝導率が高く、断熱性能はあまり高くありません。
そのため、樹脂サッシと比較すると、どうしても省エネ性という面では劣ります。
熱が伝わりやすいため結露も発生しやすいですが、二重ガラスにしたり、結露しにくい性質をもつガラスを選んだりすることで、結露の発生をかなり防げます。
窓の断熱性能を比較②樹脂サッシ
樹脂サッシの主成分は塩化ビニル樹脂です。
断熱性能が高いという特徴があり、結露も生じにくく、なにより省エネ性に優れています。
また加工や着色も容易なので、さまざまなタイプやデザインを実現できることもメリットの1つといえるでしょう。
腐食に強いため海に近い地域でも安心ですし、気密性も高いので防音性能にも優れています。
ただし、樹脂サッシには価格が高いというデメリットがあります。
本格的に市場に出回るようになったのが2004年くらいと比較的新しい建材であるため、施工経験のある会社が少なく、アルミサッシに比べ高額です。
また、素材に強度がないのでどうしても部品が厚くなってしまい重量が増すため、開け閉めしたときに負担を感じるかもしれません。
紫外線に弱いという特徴もあるので、劣化が早くなりがちです。
ただしメンテナンスをしっかりおこなえば30年くらいはもつので、過度に気にする必要はないでしょう。
どうしても紫外線による劣化が心配であれば、日当たりの良いところに設置するのは別の素材の窓にしても良いかもしれません。
まとめ
窓の断熱性能について比較すると、樹脂サッシはアルミサッシより熱伝導率が低いため断熱性能が高く、省エネ性に優れています。
両者それぞれに特徴があるため、どちらを採用するかはメリット・デメリットを理解したうえで検討してみてください。