
首都圏は茨城県つくばみらい市で、つくばエクスプレス沿線の複数の基準地が上げ幅10%を超えた。
神奈川県茅ケ崎市ではJR辻堂駅近くで5.9%上がった。東京23区でも交通の便がいい中野区(3.3%)や豊島区(同)の伸びが目立つ。
背景には歴史的な低金利や、住宅ローン減税といった政府の支援策がある。2012年以降の「アベノミクス」で緩和マネーは住宅市場に流入。コロナ前の19年までに住宅地の下落幅は縮小していた。
20年以降のコロナ下で在宅勤務の浸透などライフスタイルも多様化した。交通の利便性に加え、部屋数や広さといった住空間の価値を重視する傾向が強まった。
商業地は都道府県別でプラスが18と前年の3倍に増えた。大阪圏は前年の0.6%下落から1.5%上昇に転じた。東京では観光地の浅草周辺が4%台のプラスだった。
日本全体で見ると、地価には濃淡が残る。
四国などで苦境が続く。三井住友トラスト基礎研究所の坂本雅昭氏は「資源高やウクライナ危機など懸念材料もあり、先行きを注視する必要がある」と指摘する。