近年、リバーサイドやウォーターフロントとよばれる川沿いの都市開発が進んでおり、続々と新しい住宅やマンションが建設されています。
都会に住んでいても自然を身近に感じられることから人気があるようです。
しかし、実際に住んでみないと分からない川沿い物件ならではの注意点もあります。
今回は、川沿いの物件のメリット・デメリットや、川沿いの土地に住む場合に気を付けるポイントについて紹介します。
川沿いにある物件の魅力

川沿いの物件と聞いてまず思い浮かぶのは、目の前に建物が建つことがないので開放感がある、日光を遮られる心配がない、ということではないでしょうか。
半永久的に続く景観を気にいって、購入を決めたというケースも少なくありません。
窓から見える視界は開けていて、遠くまで見渡すことができます。
春は桜、夏は花火といった風に、四季折々の美しい自然を楽しむこともできます。
川沿いの良さはその眺望だけではなく、風通しの良さでも挙げられます。
川面によって冷やされた風が自然と吹いてくるので、窓を開けると夏でも涼しい風で快適に過ごすことができます。
また、河川敷では、周辺住民がウォーキングやスポーツをしやすいように整備された公園があったり、テニスコートやサッカーゴールが設置してあったりするところもあります。川遊びを楽しむファミリー、散歩をするお年寄りの方など、河川敷には世代を問わずさまざまな人々が集っています。
日々の暮らしの中で自然を身近に感じられるのも、川沿い物件の魅力といえるでしょう。
川沿いにある物件のデメリット

川沿い物件のメリットを挙げてきましたが、少なからずデメリットも存在します。自然が身近にあるということは、その分虫の発生も避けられないという点です。
特に、草木が住宅の周りに生い茂っている物件や、土手が近くにある物件などは、小バエや蚊などに悩まされることも多いようです。
また、高層階になるほど見晴らしはよくなりますが、風の強さも増していきます。
洗濯物が飛ばされたり、いつのまにか網戸が開いていたりなどということもあり得ます。
そして、物件の資産価値にも関わる重要な問題が、川辺に近い土地は地盤が弱い場合があるということです。今後地盤沈下が起こる可能性があるかどうかは、川から物件までの距離や、その土地ができる前の状態がどうだったのかにもよります。
地盤が心配という方は、購入予定地の地盤の状態について確認してから、物件を購入することをおすすめします。
近年よく耳にするのが、異常気象による河川の氾濫、床下・床上浸水などの自然災害です。
ただ、川の近くはどこでも危険という訳ではなく、川底よりも土地が高ければ河川氾濫のリスクは少なくなるといわれています。
しかし川底よりも低い土地の場合、万が一川が氾濫した時に長時間浸水が続いた結果、被害が大きくなることが予想されます。
川沿い物件購入前のチェックポイント

川沿いの物件を考える際、やはり気になるのが自然災害のリスクではないでしょうか。地球温暖化による急な強い雨や風は今後も続くと予想されますので、河川のそばに暮らす場合は気を付ける必要があります。
川下流のエリアであれば、万が一河川氾濫が起こった時に、きちんと機能する堤防があるのかを確認しておきましょう。
多くの市区町村では、いざという時に向かう避難場所や、災害想定が記されているハザードマップを作成しています。
浸水した場合に予想される水深が、地図上に色分けで示されているので、どのエリアが浸水被害に遭いやすいかが分かります。
ハザードマップの本紙は、市役所に置いてあります。その他、国土交通省のハザードマップポータルサイトや、市区町村のホームページでも見ることができるので、住む予定のエリアについて事前に確認しておくことをおすすめします。
住まい選びは自分自身の価値観を大切に

最後に、見落としがちなのが周辺環境の騒音チェックです。
比較的大きな川の河川敷では、頻繁にイベントがあったり、花火大会が開催されたりすることがあります。
家にいながら花火が見られるというメリットはありますが、静かな環境で暮らしたい方にとっては、イベント時などは少しうるさく感じる場合もあります。
このように、川沿いにある物件のデメリットについても触れましたが、虫が多いことや、風が強いことに関しては、対策次第で解決できる場合もあります。
外からの音を騒音ととらえるか、季節の風物詩と感じるかもその人次第。
全てを理解した上で、やはり川がそばにある暮らしに大いに魅力を感じるという方は、川沿いの物件で暮らす価値があるといえるでしょう。