マイホームを購入するとき、その家の寿命を考えることはありますか?
将来売却する際や相続する場合に備えて、「どれくらい住めるのか」についても知っておくことは大切です。
この記事では家の寿命の種類や、修繕やリフォームにかかる費用、中古物件を購入する際の注意点を紹介します。
家にも寿命がある!寿命の種類とは
購入したマイホームは、あとどれくらの期間住めるのでしょうか?
家の寿命を理解しておくと、将来必要になるリフォームや建て替えをする時期を想定できます。
寿命がきたら売却するのか建て替えるのかによって発生する費用も異なるため、早めに資金計画を立てるようにしましょう。
<寿命には2種類ある>
家の寿命には、実は2種類あることをご存知ですか?
一般的に「寿命」と聞くと、家の機能を果している期間をイメージするかと思います。
もちろん、実際にその家に住める期間も寿命と考えられますが、法律的にも「寿命」は存在するのです。
不動産だけではなくパソコンや車などの固定資産には、法定耐用年数が定められています。
この法定耐用年数は、法的に認められている資産の使用可能期間を指し、主に減価償却の計算に活用されます。
ただし注意しておきたいポイントとしては、法定耐用年数はあくまでも税務上の計算に利用されるものであり、実際の家の寿命とは関係ありません。
つまり、定められた法定耐用年数を過ぎたからといって、家に住めなくなるということではないのです。
<寿命が過ぎたらどうなる?>
では家の寿命が過ぎてしまうとどうなるのでしょうか?
寿命が過ぎた際の対処法を見てみましょう。
①老朽化で寿命を迎えた場合
建築から年数が経ち老朽化が進んでしまうと、家としての機能を果たせなくなってしまいます。
このような場合の対処法としては、売却するか建て替えるかの二択になるでしょう。
「古い家なんて売却ができるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、売却自体は可能です。
ただし、建物は建築後その価値は下がり、築30年もすれば10分の1にまで販売価格が下がるということも珍しくはありません。
そのため、売却をするとしても高く売れるとは限らないことに注意しましょう。
しかし、古くなったマイホームに住み続けたり、空き家になったりする可能性があるなら、すぐに売却をしたほうがよいでしょう。
アパートやマンションは所有しているだけでも固定資産税がかかり、また修繕費なども用意しなければならないので、少しでも価値が高いうちに売却してしまうのが賢明です。
<日本の家は寿命が短い?>
よく日本の家の寿命は短いと言われ、築30年ほど経つと建て替えられることも多くあります。
一方で、欧米などの不動産市場では築100年の物件も珍しくありません。
なぜ日本の家は寿命が短いのでしょうか?
それには日本特有の理由があります。
①とにかく家の建設が急がれたため
戦後多くの家が焼失した日本では、すぐに家を建設する必要がありました。
質より量が重視され、長く住める家を建設することはあまり重視されなかったのです。
②新築へのこだわりが強かったため
日本では、年数が経つにつれ家の価値は下がることが一般的です。
中古市場が活発になることが少なかったため、ある期間が建てば解体して新築するほうが、市場にとっても大きなメリットがありました。
家の寿命を伸ばすためにできること
マイホームの購入、人生最大の買い物とも言われます。
せっかく購入したマイホーム、寿命を伸ばす方法を知って長く住めるようにしましょう!
<修繕やリフォームがおすすめ>
家の寿命を伸ばすためには、こまめな修繕やリフォームが効果的です。
実際に家の寿命が長い欧米では、リフォームを繰り返しながら長く住むことが一般的です。
きちんと家のメンテナンスやリフォームをおこなえば、家の状態を維持することも可能ですよ。
マイホームは家族が増えたときなど、人生のイベントとつながっていることも多くあります。
思い出のつまったマイホームで長く住めるように、定期的な修繕やリフォームはおすすめです。
<修繕費はどれくらいかかる?>
家の状態をよくするために必要な修繕には、一体いくらかかるのでしょうか?
2016年におこなわれたある調査では木造の一戸建ての場合、築35年でこれまでかかった修繕費は、総額556万円だという結果になりました。
やはり築年数が高くなればなるほど、修繕費も高くなる傾向にあります。
修繕費は決して安くはない費用なので、比較的築年数が浅いと修繕を後回しにしてしまうことも。
しかし、家の修繕は適切なタイミングでおこなわないとその分さらに費用がかさみ、修繕にかかる時間も伸びてしまいます。
そのようなことを避けるため、将来必要になる修繕費を毎月積み立ておくことがおすすめです。
計画的に準備することで、予期せぬ修繕にも対応できますよ。
<リフォーム代はどれくらいかかる?>
家が不便だと感じたら住み替えや買い替えを検討する前に、リフォームすることも考えてみましょう。
全体的なリフォームでは構造物以外を取り壊すので、新品のような住み心地にすることも可能です。
トイレ30~50万円、浴室60~150万円ほどかかり、気になった箇所だけのリフォームもできますよ。
寿命を考えるなら中古物件に注意
家の老朽化で寿命が過ぎたら、新築物件よりも安い中古物件に住み替える方も多いでしょう。
しかし、家の寿命を考えるなら購入する中古物件にも注意する必要があります。
<中古物件の購入はここをチェック!>
①中古マンションは共有スペース
中古マンションは近年人気が高く、購入を考えている方も多いのではないでしょうか?
中古マンションを購入する際には、通路やエントランスなど共通スペースの管理がきちんと行き届いているかどうか確認しましょう。
また、外壁などにヒビや傷がないかどうかも見ておくべきポイントです。
②新耐震設計基準が適応されているか
1981年に新耐震設計基準が施行され、その前に建築された建物は旧耐震基準が適用されます。
建築業者に連絡し、確認通知書が1981年6月1日以降に受理されているか問い合わせてみてください。
<中古物件の購入で後悔するケース>
①地盤が軟弱
埋め立て地や盛り土の場合は地盤が軟弱で、購入後に家が傾いたり地震が起きた際に液状化したりすることもあります。
造成方法は市役所などで確認できるので、購入前には忘れずおこないましょう。
②修繕履歴がない
修繕履歴がない物件だと購入後に大規模修繕が必要になることもあり、安く購入しても結局費用がかさんでしまうことも。
余計な出費を抑えるためにも、管理会社に連絡し修繕履歴を取得するようにしましょう。
<大切なのは建物の状態を確認すること>
中古物件を購入する際には、長く住むために建物の状態をよく確認するようにしてください。
新しい住まいを見つけたとしても、すでに残りの寿命が短い物件では、また住み替えが必要になるケースもあります。
法定耐用年数や築年数も大切ですが、一番は建物の状態をよく確認することです。
そのため、ホームインスペクションを利用し、建物の寿命を判断するのもよいでしょう。
専門家による家の診断を受ければ、家の不具合などを事前に把握できます。
中古物件を購入する際や寿命が過ぎた家を売却するときには、ぜひ利用しておきたいですね。
まとめ
家には2種類の寿命が存在し、その都度適切な処置を施せば寿命を伸ばすことも十分可能です。
さらに、中古物件を購入する際には「あとどれくらい住めるのか」という視点を持って選ぶことをおすすめします。